2019年 インターンシップ レポート

今年度のインターンシップが、9月に実施されました。
建設コンサルタントの仕事は、測量、設計と多岐にわたります。当社のインターンシップでは、建設コンサルタントの仕事をある程度理解していただくことを目的とし、実際にみて体験していただく実務訓練を主としております。
また、今回は
参加者に「どういうことがしてみたいか?」「どういったことに興味があるか?」といったヒアリングを事前に行い、出来る範囲でご希望にお応えできるようプランニングをしました。

それでは、今回の実習内容についてご紹介させていただきます。(掲載には、ご本人の許可をいただいております。)

崩落地での現場実習

インターンシップに参加して下さったのは、国立長野高専 環境都市工学科4学年の女子学生、明るく元気いっぱいのKさんです。
今年の4月に行われた長野高専インターンシップ説明会にて、当社ブースにお越しいただいた学生のお一人です。


●期間:2019年9月9日~9月13日(5日間)
●場所:長野技研本社及び諏訪支店
●実習内容:
  1日目 橋梁修繕調査設計 現場実習
  2日目 EXCEL、CAD実習
  3日目 崩落地でのドローンを使った撮影・測量実習、地層解析
  4日目 駅前広場・公園等の設計実例視察
  5日目 スマートインターチェンジ設計協議参加
●本人のご希望:
 ・都市計画に興味があるので、そのような業務があれば参加したい。
 ・会社のHPをみると様々な事業を手掛けているので、どんな仕事をしているのか直接みてみたい。

橋梁修繕調査設計 現場実習

実習初日、木曽で行われている橋梁補修設計の現地調査に参加することとなりました。
現場では、当社が所有している橋梁点検車への乗車体験もしていただきました。

安全帯を装着し橋梁点検車に乗車したKさん

橋脚の損傷個所を実際に確認することができました

電磁波レーダによる鉄筋探査

実習日誌より
実際に橋の下に入って、今まで座学でしか知らなかった劣化を見ることができ、良い経験になりました。鉄筋を調査できる機会は今までなかったので、そのような機械(鉄筋探査機)があることも知ることができ良かったです。

 

崩落地でのドローンを使った航空測量実習、地層解析

3日目は、斜面崩落地にてドローンによる空撮に同行。
最新型ドローンでの航空測量実習のほか、現場の地層や岩盤について講義も合わせて行われました。

この夏に導入したばかりの高精度測位ドローン(Matraice 600 Pro)

一気に高度をあがるドローンに「早いっ!」

手元のタブレットで撮影画像の解説をする 加藤主任

「この地層からわかることは?」 解説を行うのは、防災地質の専門家 太田次長

実習日誌より
こんなに大きなドローンが飛んでいるのを初めてみました。ドローンの飛行ルートや、カメラのシャッターも自動制御されていました。
地層の途中から水があふれだしているのは、下の地盤が硬く水が染み込みにくい性質であったことと、上の層が砂などで水が通り抜けやすかったからだということがわかりました。

 

駅前広場・公園等の設計実例視察

今回のインターンシップを行うにあたり、Kさんから都市開発に興味があると事前に伺っていたため、当社がこれまで設計に関わった駅前広場や公園等の視察をスケジュールに入れました。
視察には、長野高専卒業生でもある寺澤技術部長が同行し、設計図と実物を照らし合わせながら確認を行うとともに、設計の進め方、考慮した点、苦労話など、技術者の「生」の声を聴いていただきました。

塩尻駅前で記念撮影

実習日誌より
都市開発は、知識のある方々が集まり、違った観点の案がたくさん出され、より良いものを作っていけるのだなと思いました。
実際に設計した技術部長のお話のなかから、「作るだけじゃなく、その後の維持管理のことを考えながら設計することが大事。そういった設計者の意図がよめるようになると楽しい。」という言葉が印象に残りました。

 

スマートインターチェンジ計画 協議参加

実習最終日は、諏訪支店に移動。
現在進んでいるスマートインターチェンジ整備計画について、発注者協議に参加していただきました。

発注先での協議に先立ち、事前に社内レビューが実施されました。
概要を理解していただくため、Kさんにも同席いただきました。社長も交えたレビューでは白熱した議論が交わされ、やや緊張した面持ちのKさんでした。

前日に実施された社内レビュー(本社会議室)

Kさんに、実際に発注者協議に初めて参加した感想をたずねたところ、
 
「発注者(自治体)とコンサル、それぞれの立場の話を聞くことができて良かった。
発注者が一方的に要望を出すのではなく、コンサルの技術的アドバイスを受けながら、こうやって協議を重ねて計画を進めていくんですね
。」
 
という素直な感想をいただきました。

後輩にアドバイスをする高専OBの床尾主任(平成20年卒)

実習日誌より
学校の授業で学んだ計算や言葉が、協議中にたくさん出てきました。今まで何に使うのかよくわからなかったものがこのようなところで役立つのだと知りました。
長野技研さんの圧倒的知識量の多さを、初めて参加した自分でも感じられました。今回の実習で長野技研さんの一人一人の知識量や技術力にとても感動し、民間の企業の就職も視野に入れていきたいと思いました。

このような感想をいただき、社員一同大変嬉しく思っております。
今後も自己研鑽に努め、真摯にお客様と向かい合う姿勢を忘れずにいようと改めて感じました。

 


実習のその後・・・

実習終了後の10月9日、長野高専において「実務訓練報告会」が行われました。
そのときの画像がこちらです。(暗くてごめんなさい)

聞き取りやすい話し方と、時間内に上手にまとめられていた内容、立派でした!


5日間の実務訓練、そして報告会でのプレゼンテーション、本当にお疲れさまでした。
積極的に学ぼうとする意識が随所に見られ、指導する社員にも自然と熱が入っていたようでした。
最終日に「とっても勉強になりました。長野技研でインターンシップをしてよかったです!」と話してくださったときの笑顔が、大変印象に残っています。
今回のインターンシップでの経験が、今後に活かせて貰えればと思います。
ご参加いただき、ありがとうございました。