インターンシップで学んだ、知識の重要性

 国立 理工系専門学校 3年 H.M
期間:平成29年8月16日~22日(内5日間)

 

じめに

 私は、建設コンサルタント会社の長野技研さんでインターンシップをさせていただきました。今回が初めてのインターンシップである私は、不安や緊張が大きかったのですが、社員の方々が優しく丁寧に接してくださり、自然体で過ごすことができました。

切なこと

インターンシップ中の私

 私が今回のインターンシップで学んだ一番のことは、「学校で学ぶ勉強の重要性」でした。私は、理数をメインとする学校に通っているのですが、学年が上がるごとにやっている内容は当然難しくなってきます。そんな授業を受けていると、「今やっているこの勉強は将来使うのか」あるいは「この分野の知識はいったい何に使えるのだろう」と疑問に思うことが多くなりました。その疑問を解決できないまま授業に臨んでいたため、授業に対して身が入らず、ただ漠然と知識を詰め込むような形になっていました。

 長野技研さんの業務内容は構造物の設計などが多いため、素人である私がお手伝いできることはあまりありませんでした。そこで私には、学校で習った範囲の中で様々な分野から問題を課していただき、それを解くということを主に行いました。しかし、ここで私は、今までの自分がいかに甘かったのかを痛感しました。学校で習ったであろう解き方や公式が、バンバン出てきたのです。

 見たことはあるが思い出せない、そんな状態に何回も陥りました。知識が記憶として定着していないということを、その度に思い知らされました。しかし、わからないところがある度に久保田常務に、解り易い例とともに教えていただいたので、しっかりと理解することができました。さらに、その知識がどのようなことに使えるのかまでも教えていただけたため、私が学校で疑問に思っていた多くのことが、解決することができました。

 久保田常務からは「M君は、まだ自分の中の知識が結びついていないね。知識が孤立している。」というお言葉をいただいたのですが、まさにその通りだと思いました。知識が孤立していては、難しい問題に応用することはできない。それ即ち、社会に出ても知識を応用できないということと同義だと思いました。

際に見て

 このインターンシップで行ったことは問題を解いただけではありません。大変勉強になる、とても刺激的な見学をさせていただきました。

 長野技研さんの設計した構造物を、実際に現地に行って見学させていただきました。構造物にもたくさんの種類があり、今回見学させていただいたものは主に“橋梁・擁壁・覆工(雪崩や土砂崩れなどから守るトンネル)・木製ガードレール”などがありました。この構造物の中でも特に、長野技研さんは橋梁をメインとしているそうです。様々な構造物を見学させていただきましたが、私が特に印象深かった構造物はあります。

工事途中の橋梁(滝沢橋)

工事途中の橋梁(滝沢橋)

 

 一つ目は工事途中の橋梁「滝沢橋」です。工事途中の橋梁を見に行く前に、久保田常務からその橋梁の図面を見させていただきましたが、私には何が書いてあるのかを読み取ることができませんでした。しかし、実際にその橋梁を見学すると、興味深いことがたくさんありました。

 その橋梁を架ける場所には、もともと古い橋梁があったそうですが、老朽化のため新しい橋梁を造っているようでした。しかし、工事をするにあたって、その橋梁が使えないということになると、今まで利用していた方たちが使えなくなってしまいます。そのため、新しく造る橋梁とは別に、工事中の間だけ使用される仮の橋梁が横に架かっていました。私は橋梁を造るために架ける仮の橋梁があるということを知らなかったので、驚きました。さらに、その仮の橋梁もしっかりとした図面に基づいて製作されていると知り、とても驚きました。一つの新しい橋梁を架けるために、ただ通行止めにするのではなく、労力を惜しまないで二つの橋梁を架けるということに感動しました。

 橋梁を造る際、地面を掘ると地面が崩れてしまう恐れがあるため、それを防ぐために“矢板”というものがあります。私はこの工事途中の橋梁で矢板を見られたことにとても感動しました。矢板は特別すごいものというわけではなく、板状の杭です。私がなぜそんなにも感動したのかというと、学校の授業で矢板についての紹介があった際、矢板がどのような形でどのように使われているのかを疑問に思ったからです。疑問に思ったことを実際に現場で見られたということに、こんなにも感動するとは思いませんでした。私はこの経験を通して、何事にも興味や関心、疑問などを持ってみることの大切さを知りました。

橋梁の見学が終わった後に、もう一度、滝沢橋の図面を見させていただきました。一度実際に造られている様子を見ると、図面に何が書かれているのかを大まかに理解することができました。理解ができると、複雑な図面でも見ていて楽しいと感じることができました。

奉納大橋

奉納大橋

 

 二つ目は小谷村の山奥にある橋梁「奉納(ぶのう)大橋」です。この橋梁は昭和61年に造られたそうで、かなり古い橋梁です。設計した方が久保田常務本人ということで、たくさんのお話を聞くことができました。

 私がこの橋梁で一番興味深かったことは、久保田常務にお話していただいた制作秘話の一つです。その内容は橋梁の防護柵についてでした。この橋梁の防護柵は、すべて少し丸みを帯びた形をしていました。久保田常務いわく、「ただ真っ直ぐじゃ面白くないからね、アーチ状にしたんだよ。当時の図面はすべて手書きだったし、製作会社にはいい迷惑だったろうね。(苦笑)」ということでした。防護柵一つ造るのにも、自分の考えを織り交ぜられるのは面白いなと感じました。

 この奉納大橋ですが、平成26年に発生した神城断層地震により、一部が破損してしまったそうです。現在は復旧作業が完了しており、橋梁に問題はないようです。昭和61年に奉納大橋が造られてから現在まで、塗装の塗り替えはなかったそうで、修復した一部のみ塗装が新しくなっているため、塗装の違いを見比べると、この橋梁の歴史を感じることができました。

橋梁について質問をする私

橋梁について質問をする私

 

 今回たくさんの橋梁を見学させていただいてから、日常的に通る橋梁にも意識が行くようになりました。橋梁の外見を見るのも面白いですが、外見だけではなく構造にも着目してみると、より面白いということがわかりました。それらを踏まえたうえで、これからは橋梁を見ていきたいと思います。

 

まれた職場環境

 これは余談になるのですが、長野技研さんの本社の立地は、個人的に大変すばらしいと、私は感じました。その理由は、隣に保育施設があるためです。勤務時間中はパソコンに向かっていることが多いので、園児たちの元気な歌や声は、大変癒しとなりました。これは、私だけが感じていることではないようで、多くの社員の方も感じているようでした。

社員の方々の人柄が優しいということと、このような環境が相まって、社内の雰囲気がとても暖かいという理由を確信しました。

後に

5日間という短い期間でしたが、このインターンシップを通して学んだことはたくさんありました。そして、それと同時に自分の未熟さも痛感しました。

今後、私がすべきことは自発的に知識を蓄えることです。蓄えた知識はこれから必ず役に立つということを、どこかぼんやりとした机上の空論ではなく、「実際の体験」を通して得ることができました。この考えは、インターンシップを経験しなければ、もっと言えば長野技研さんでインターンシップをしなければ、得ることはできませんでした。この貴重な経験を忘れずに、日々努力をしていきたいと思います。