国道158号 土砂崩落からの復旧

道158号線の大崩落

国道158号は北アルプスを越えることができる唯一の国道で、沿線には上高地・乗鞍高原・白骨温泉・奥飛騨温泉郷など著名な観光地が並び、古都・高山や世界遺産・白川郷への首都圏からのアクセスルートにもなっています。

平成17年(2005年)7月1日15時40分ごろ、降り続いた雨の影響により国道158号 松本市安曇の沢渡(さわんど)で土砂崩落が発生しました。土砂は連鎖的に崩落し、翌日未明まで続きました。
崩落の直前、落石の発生により松本建設事務所の職員が直行し通行止めにしていたため、幸いにも負傷者は出ませんでした。
しかし、現道が完全に埋塞したことにより、夏期の観光シーズンを目前にしながら全面通行止めという大きな被害を受けることとなったのです。

崩落地の現地調査

設道路の建設

長野県の災害対策本部では、早急に対応策が検討されました。崩落した形状は延長で100メートル、直高70メートル、厚さ5メートル、崩落土は17,000立方メートルと推測されました。
復旧方法を検討した結果、川側に盛り土をして2車線を確保し、落石保護柵を設置して交通開放をした後に、法面保護工事を実施することにしました。

仮設道路の建設が進む崩落現場

崩落事故から約1か月後の7月28日、崩壊地を避けるように設置した仮設道路が完成し、一般車両の通行が可能となりました。

■通行止め期間中のう回路

仮設道路が開通するまでの1か月間、普通車は乗鞍岳線→乗鞍スーパー林道→白骨温泉線のルート(下図 のライン)を利用してう回しました。
ところが、このルートでは約16kmう回することになり、通常7分で通過するところを、50分も要してしまいます。
そのため、通行止め期間中の上高地への入り込み人数は、前年の4割減(特に長野県側からは7割減)となり、夏の観光シーズンに大きな打撃となりました。
仮設道路開通の知らせを受けた地元では、「夏本番に間に合って良かった。」と安堵の声が聞かれたそうです。

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すゆき橋バイパス 開通

本復旧工事は、当初、不安定土壌や崩落土砂の除去を実施した後、法面工事を行い洞門を新たに設置する計画でした。
しかし、法面の不安定な土砂を除去すると同時に法面崩壊が発生したため、長野県では、安全性を考慮し梓川の上に橋梁を架けるバイパス工事の計画が進められました。

建設中のうすゆき橋(2007年9月撮影)※画像をクリックすると拡大します

うすゆき橋バイパス諸元

うすゆき橋全景(2008年4月撮影)※画像をクリックすると拡大します

●場所  長野県松本市安曇(沢渡)   »Map
●総延長 L=500m
●橋長  L=290m
●幅員  W=(6.5m)8.5m
●工期  平成17年度~20年度
     (開通 平成20年4月20日)
●型式  4径間連続非合成鋼箱桁橋
     59.1m+70.0m+80.0m+79.1m

 

崩壊地と災害復旧の概要図

 

術者インタビュー! (本社技術部 吉原 潤一)

Q. 工夫した点は?

一般的な連続鋼箱桁の範囲を超える長いスパン長を必要となったため、細幅鋼箱桁を使用し、床版は鋼製のリブ構造と鉄筋を組み合わせた合成床版を採用しました。