【事例紹介⑫】 橋梁点検車 現場レポートその2 (BT-400他)
前回の事例紹介では、弊社が所有しているBT-200を使った橋梁点検についてご紹介いたしました。今回は、違ったタイプの点検車を2種ご紹介いたします。
また、合わせて実施した、橋桁内部の点検についてもご紹介いたします。どうぞ、最後までご覧ください!
橋梁点検車(BT-400)
桁下高が約40mもある橋梁の点検について、ご紹介いたします。
本日の点検現場は、茅野市です。 茅野市といえば、平昌五輪スピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手の出身地。
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点検対象となる橋梁です。 |
この桁高の橋梁になると、BT-200での点検では限界があります。そこで、桁下および橋脚の点検は、BT-200に加え、BT-400、さらにゴンドラ車の、合計3種を使用する点検計画がたてられました。 ・桁下:BT-400 およびBT-200で点検 それでは、まずBT-400での点検の様子をご覧ください。 |
12月某日、現場で待機するBT-400。 朝の気温は氷点下。うっすらと雪が積もっていました。 |
点検箇所に移動するBT-400 BT-400での点検日数は3日間。その間、片側交互通行の交通規制を実施します。 |
アウトリガーを張り出して、車体を安定させます。 |
BT-400のアウトリガーには、ローラーが2つずつ装備されています。 |
バスケットに乗り込む点検員2名と、オペレーター1名。 |
ブームを器用に動かし、バスケットをフェンスの外側に出します。 |
第2ブーム、第3ブームを使用し、徐々にバスケットを降ろします。 点検車が位置についてから、アプローチ完了まで約20分。
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上流側から撮影。 |
BT-400を使用し、桁下と、橋面から15m付近までの橋脚の点検を実施しました。 |
地上高35m超の桁下、点検員は手慣れた様子で作業を進めてきます。 八ヶ岳から風が吹きおろし、橋付近はとにかく寒い! |
橋の向こうにうっすらと見えるのが八ヶ岳。 ちょうど橋の真ん中あたりで作業中です。
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ゴンドラ車(GC-240)
BT-400では、路面から15m付近までしか点検ができません。桁下高が40mもあるこの橋梁は、橋脚の点検にゴンドラ車を併用しました。
GC-240 主要諸元 | |
車両寸法 |
全長 11.5m 全幅 2.5m 全高 3.7m |
積載荷重 | 240kg |
最大地下深さ | 64.5m |
最大作業半径 |
14m |
ゴンドラデッキ 昇降速度 |
7.0m/分 |
操作資格 |
高所作業車運転技能講習修了者(10m以上) ゴンドラ取扱業務特別教育修了者 |
1月某日、この日の朝も氷点下。前夜降っていた雪も止み、日差しが出てきました。 |
「労働安全衛生法」では、次のような悪天候の場合(予想される場合も含めて)、ゴンドラを使用する作業を中止するよう定められています。 |
ゴンドラのデッキに点検員を乗せ、ブームを動かします。 このとき、ゴンドラは4隅のフックで吊元と固定されています。 |
伸縮式の第1ブームでフェンスを乗り越え、第2ブームから第4ブームまでを使用し、点検箇所へアクセスします。 |
フェンスの向こう側、デッキ部分が降りて行きます。 |
桁下からみたところです。 |
位置が定まりました。 4隅のフックを外し、いよいよデッキ部分が降りていきます。 |
昇降は、電気モーターを使います。
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BT-400ではアクセスできなかった、橋脚下部までアプローチすることができました。 |
左右それぞれ1本のワイヤーで吊るされたゴンドラデッキは、少し動くだけで前後に揺れます。 点検員は、デッキの中でお互いバランスをとりながら、作業を進めていました。 |
箱桁内の点検
今回点検対象となっている橋は、PC(プレストレストコンクリート)箱桁橋です。
桁側面、桁下は点検車を使用して点検を実施しますが、桁内部についても、ひび割れや滞水の有無等、点検を行わなければなりません。
上の画像で、黄色く塗られた部分が箱桁
※プレストレストコンクリート [Prestressed Concrete]
略してPCとも呼びます。Pre(プレ)前もって、stress(負荷)をかけるという意味から、直訳すると「あらかじめ応力を与えられたコンクリート」となります。PCの技術を用いることによって、コンクリートの最大の弱点(圧縮には強いが引張には弱い)を克服することができます。コンクリートに「プレストレス」をかけるには、「PC鋼材」と呼ばれる高強度の材料を使います。プレストレストコンクリートをつくるためには、PC鋼材を引っ張って(この作業を「緊張」といいます)、張力を与えた後にコンクリートと固定します。プレストレスの与え方には、プレテンション方式とポストテンション方式の2つがあります。
※箱桁
鋼板、またはコンクリートにより箱状にした桁。鋼板による場合はボックスガーダー[box girder]とも呼びます。
普段、見ることがない橋梁の内部を、ほんの一部ですがご紹介させていただきました。
以上、前回に引き続き、橋梁点検についてのレポートをお届けいたしました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。