建設コンサルタントの役割
建設コンサルタントは、インフラを管理・運営する事業者に対し、専門的な技術力を提供し、事業の円滑な遂行を支援する役割を担っています。
私たちの生活は、道路や上下水道、電気・ガスといった生活基盤のインフラ、河川や砂防施設など安全を守るためのインフラ、さらに都市公園など生活に潤いを与えるインフラによって支えられています。
これらのインフラは、国・県・市町村などの事業者によって整備され、継続的な維持管理や更新を通じて、その機能を発揮しています。
事業者が新たなインフラを整備したり、既存施設を維持管理する際には、計画に基づき、調査・測量・設計を行ったうえで事業を実施します。
建設コンサルタントは、これらの各段階において、事業者のパートナーとして、中立かつ独立した専門技術者の立場から支援を行います。
インフラの種類
「インフラ」とは、英語の「インフラストラクチャー」(infrastructure)の略語で、日本語では「社会資本」と訳します。
主なインフラには、「道路」、「橋梁」、「電線共同溝」や「河川」、「砂防」、「都市公園」、「駅前広場」などがあります。
以下に、長野技研が関わったインフラの一部を示します。
道路

(完成予想図)

(3D統合モデル)

(3Dモデル)
橋梁

(鋼4径間連続非合成細幅箱桁橋)
河川

砂防

(透過型堰堤、3D統合モデル)
駅前広場


公園

(3D統合モデル)
【インフラの語源】
「インフラ」は、英語の「インフラストラクチャー」の略語です。
この「インフラストラクチャー」という英語は、ローマ人の言語であったラテン語の、下部ないし基盤を意味する「インフラ」(infra)と、構造・建造を意味する「ストゥルクトゥーラ」(structura)を現代になって合成した言葉といわれています。 語源がラテン語であることから、ローマ人が「インフラの父」である証明と考えられています。
【インフラとは人間が人間らしい生活を送るために必要な大事業】
ローマ人には、『あれほどの質と量のインフラをつくっておいて、それを表現する言葉がない・・・探してみたら、・・・「モーレス・ネチェサーリエ」(moles necessarie)・・・日本語訳を試みれば「必要な大事業」という・・・その前には「人間が人間らしい生活を送るためには」という一句があった。つまり、ローマ人はインフラを「人間が人間らしい生活をおくるためには必要な大事業」と考えていたということではないか。』と塩野七生氏は著書の中で語っておられます。
【ローマ人のインフラに対する考え方は現代にも通じる】
- 道路はメンテナンス忘れずにネットワーク化する
『道路自体ならば、ローマ人の発明ではない。しかし、・・・常にメンテナンスを忘れないようにしてのネットワーク化は、まったくのローマ人の独創である。そして、ネットワーク化による機能の飛躍的な向上に着目したこと自体が、ローマ人を現実的で合理的な民族に育てていくことにもなった。インフラとは、・・・ハードの分野の成果では終わらずにソフトな分野、つまりは精神の分野まで影響をもたらさずにすまない。・・・インフラがどう成されるかは、その民族のこれからの進む道まで決めてしまうのである。』 - インフラ整備は、経済力があるからやるのではなく、重要と考えるからやるもの
『北アフリカ一帯に張りめぐらされた古代の街道網は、(経済力のある)カルタゴが統治していた時代につくられたのではない。ローマの属州に変わって以後のものである。このエピソードは、インフラとは経済力があるからやるのではなく、インフラを重要と考えるからやるのだということを示している。』と著書の中で語っておられます。
※コラムは、塩野七生氏の“ローマ人の物語(すべての道はローマに通ず)“を参考に作成したものです。









