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  3. 建設コンサルタントの役割

建設コンサルタントは、インフラを管理・運営する事業者を、専門的技術力の提供を通じて支援する役割を担っています。

私たちの周りには、道路や上下水道、電気・ガスなど生活に欠かせないインフラや、河川や砂防施設など安全な暮らしのためのインフラ、都市公園など生活にうるおいを与えるためのインフラなど、様々なインフラが整備されています。

これら私たちの生活に不可欠なインフラは、主に国・県・市町村等の事業者が整備を行い、不断の維持管理・更新によってその役割を果たしています。

事業者が新たにインフラを整備したり、既存のインフラを維持管理するなど、事業の執行を行う際には、計画等に基づいて、調査、測量、設計を行ったうえでインフラの整備、維持管理を行います。 建設コンサルタントは、これら事業執行の各段階において、事業者のパートナーとして、中立・独立した専門技術者としての立場で支援する役割を担っています。

図:インフラの整備・維持管理と建設コンサルタントの関係
図:インフラの整備・維持管理と建設コンサルタントの関係
参考Webサイト

「インフラ」とは、英語の「インフラストラクチャー」(infrastructure)の略語で、日本語では「社会資本」と訳します。

主なインフラには、「道路」、「橋梁」、「電線共同溝」や「河川」、「砂防」、「都市公園」、「駅前広場」などがあります。

以下に、長野技研が関わったインフラの一部を示します。

中央道諏訪湖スマートインターチェンジ(完成予想図)
中央道諏訪湖スマートインターチェンジ
(完成予想図)
筑北スマートインターチェンジ(3D統合モデル)
筑北スマートインターチェンジ
(3D統合モデル)
電線共同溝(3Dモデル)
電線共同溝
(3Dモデル)
梓湖大橋
(鋼4径間連続非合成細幅箱桁橋)
梓湖大橋
(鋼4径間連続非合成細幅箱桁橋)
浅川ダム流路工
浅川ダム流路工
東山砂防堰堤(透過型堰堤)
東山砂防堰堤
(透過型堰堤)
松本駅アルプス口
松本駅アルプス口
明科駅前広場
明科駅前広場
扇子田運動公園
(3D統合モデル)
扇子田運動公園
(3D統合モデル)

【インフラの語源】

「インフラ」は、英語の「インフラストラクチャー」の略語です。

この「インフラストラクチャー」という英語は、ローマ人の言語であったラテン語の、下部ないし基盤を意味する「インフラ」(infra)と、構造・建造を意味する「ストゥルクトゥーラ」(structura)を現代になって合成した言葉といわれています。 語源がラテン語であることから、ローマ人が「インフラの父」である証明と考えられています。


【インフラとは人間が人間らしい生活を送るために必要な大事業】

ローマ人には、『あれほどの質と量のインフラをつくっておいて、それを表現する言葉がない・・・探してみたら、・・・「モーレス・ネチェサーリエ」(moles necessarie)・・・日本語訳を試みれば「必要な大事業」という・・・その前には「人間が人間らしい生活を送るためには」という一句があった。つまり、ローマ人はインフラを「人間が人間らしい生活をおくるためには必要な大事業」と考えていたということではないか。』と塩野七生氏は著書の中で語っておられます。


【ローマ人のインフラに対する考え方は現代にも通じる】

  • 道路はメンテナンス忘れずにネットワーク化する
    『道路自体ならば、ローマ人の発明ではない。しかし、・・・常にメンテナンスを忘れないようにしてのネットワーク化は、まったくのローマ人の独創である。そして、ネットワーク化による機能の飛躍的な向上に着目したこと自体が、ローマ人を現実的で合理的な民族に育てていくことにもなった。インフラとは、・・・ハードの分野の成果では終わらずにソフトな分野、つまりは精神の分野まで影響をもたらさずにすまない。・・・インフラがどう成されるかは、その民族のこれからの進む道まで決めてしまうのである。』
  • インフラ整備は、経済力があるからやるのではなく、重要と考えるからやるもの
    『北アフリカ一帯に張りめぐらされた古代の街道網は、(経済力のある)カルタゴが統治していた時代につくられたのではない。ローマの属州に変わって以後のものである。このエピソードは、インフラとは経済力があるからやるのではなく、インフラを重要と考えるからやるのだということを示している。』と著書の中で語っておられます。

※コラムは、塩野七生氏のローマ人の物語(すべての道はローマに通ず)を参考に作成したものです。