我が社の社長は、何かと話題に事欠かない。
先日も面白い出来事があった。
夕方、社長から内線電話がはいった。
「パソコンに入れないんだよ。パスワードが違うって、どういうことだい?」
会社のパソコンは、一定時間経過するとロック機能が働くようになっている。
席に戻ってロックを解除しようとしたら、NOと言われたようだ。
「Caps Lock(大文字固定)がかかってるんじゃないですか?」と聞いたところ、
「そんなことはない!」とムキになって否定する。
このあと外出の予定があるらしく、電話の向こうで慌てているご様子。
直接見た方が早いと思い、社長室に向かった。
アカウント名は正しい。とすれば、怪しいのはやはりタイプミスか?
パスワード表示ボタンをクリックし、画面上で確認していただいた。
自信満々で、「間違いない」と答える社長。
ところが、何度試してもエラーが出る。
「ほら!おかしいじゃねぇか!」と、パスワードを書いたメモを取り出し、勝ち誇ったかのような顔。
その、社長が書いたメモを見せてもらった。
なんと!ついさっき入力したパスワードにまだ2文字続きがあるではないか!
「社長っ!最後の2文字が足りませんよ!」
2文字追加したところ、難なくデスクトップ画面が表示された。
社長「ワリー!ワリー!うっかりパスワードを忘れちまった。」
私「え?毎日、会社でパソコンに電源入れてますよね??」
社長「当たり前じゃねぇか!今朝もログインした!」
本当に、我が社の社長は笑いと話題に事欠かない。
文筆 N.Matsu
校正 T.Nakajima