木曽漆器まつりで泣きそうになった話

関東甲信地方が梅雨入りした翌日の6月8日(土)、娘と木曽の漆器まつりに出掛けたときの話。

この時期の木曽は、新緑が濃くなり、空気も澄んで、本当に気持ちが良い。ラッキーなことに、天気予報がはずれ、晴れ間も見える。
駐車場となっている楢川小学校に車をとめ、平沢に向かうシャトルバスの停留所に向かった。

小学校の玄関前を通り過ぎようとしたとき、画用紙の手作り看板を持った小学生の児童に、
「ならニコカフェに来ませんか?ほうば巻きとお茶をお出ししております。」と呼び止められました。
楢川小の校内で、子どもたちがカフェをしているらしい。
漆器まつり会場に早く行きたかったのだが、ほうば巻のサービスに釣られ?中に入ってみることにした。

そこから先は、感動の連続!

玄関では、5年生の男の子がお出迎え。
スリッパを履きやすいように差し出し、学校紹介をしながら、ランチルームまで案内してくれた。
楢川小の建物は、壁はヒノキ、床はナラ、階段はクリ、机椅子はナラ材でできている。
木造の校舎は、掃除が行き届き、床なんてピカピカだ。
ランチルームは吹き抜けで、出入口には、池田満寿夫さんによる「山中に学ぶ」の書が掲げられていた。
ここで、全児童75名が揃って給食をいただくらしい。
素敵!素敵すぎる!

ランチルームでは、元気いっぱいのエプロン姿の子どもたちが、男の子も女の子も一生懸命におもてなしをしていた。
「ご注文はお決まりですか?」と手作りの注文用紙を持った女の子。
しばらく待っていると、漆器に盛られた手作りのほうば巻と、温かいお茶が運ばれてきた。
机の上に大事そうにセッティングしながら、
「どちらから来たんですか?」
「楢川小学校に来たのは初めてですか?」
「どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。」と、気の利いた言葉も忘れない。
聞くと、おもてなし係は4年生だそう。
みんな、笑顔で、一生懸命で、明るくて、なんて可愛いんだろう・・・。
今どき、こんな純粋な小学生がいることに感動し、心が洗われるようだった。
「やばい、感動で泣きそう。」と、娘に言ったら、「わかる。あたしも・・・。」見ると、目がうるうるしていた。

漆器まつりにはこれまで何回も行っているが、今年ほど感動した年はない。
ますます木曽が好きになってしまった。

こちらは、楢川小中学校で使われている漆器の給食食器。全て職人の手作りで、一式4万円。
「木曽くらしの工芸館」でお買い求めできます。(予算オーバーのため購入できず。)


この季節、木曽ならではのお菓子「ほうば巻」。
米粉で作った饅頭を、朴の木の葉っぱで包み蒸したお菓子。1個160円くらい。


甘い粒あんと、ちょっとだけ塩気の効いた生地が、ほうばの爽やかな香りに包まれて格別!
食べ終わった後のほうばは、洗って乾かし、今度は味噌を乗せてフライパンで焼き「ほうば味噌」に再利用する予定。

梅雨の晴れ間、子どもたちの笑顔と、木曽の美味しい空気に癒され、清々しい気分に包まれた一日でした。

※ 木曽楢川小学校のHPは、こちらから → http://www.shiojiri-ngn.ed.jp/kisonarakawa-e/

N.Matsu