東筑摩郡 筑北村からの委託を受け、弊社にて計画、設計を行った長野自動車道 筑北スマートインターチェンジ が2023年12月17日に開通しました。
当日は村内で開通を祝う式典が開催され、弊社社長の中嶋が参列し、関係各機関の皆様とともに2015年の準備段階から約9年かけて完成した筑北村の新しい玄関口の誕生を祝いました。
筑北スマートインターチェンジ概要
- 設置場所 位置:長野自動車道 安曇野IC~麻績IC間の本線に接続
- 所在地:長野県東筑摩郡筑北村西条小仁熊
- 運用時間:24時間利用可能
- 利用形態:一旦停止型
- 対象車種:ETC車載器を搭載した全車種
筑北村は、⻑野県のほぼ中央部に位置し、⻑野市から約30km、松本市から約20kmに位置しています。広域交通網としては、⻑野⾃動⾞道および⼀般国道403号が中央部を通り、南端に⼀般国道143号が通っていますが、筑北村内に⻑野⾃動⾞道のインターチェンジは無く、隣接する⿇績インターチェンジ(⿇績村)と安曇野インターチェンジ(安曇野市)間の距離は23.2km で、⻑野県内を通る⾼速道路のなかで最も⻑い区間となっていました。
筑北スマートインターチェンジ(以下、スマートIC)の開通により、地域住民の利便性の向上と地域間交流の促進、災害緊急時の避難・輸送路の確保、交流⼈⼝の増加と観光周遊性の向上、物流網強化による企業誘致の促進といった多くの効果が期待されます。
筑北スマートICは、高速道路本線へ直接アクセス路を接続させる本線直結型のICで、長野県下では初となります。
サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)接続型は、加速・減速車線が既存の施設を使える点や、比較的平坦な場所にあり土地に余裕がある場合が多いため、設計上、比較的容易に接続することが可能ですが、本線直結型は既存の道路が交差している箇所に設置されることが多く、アクセス道路へどのように連結させるかは、道路設計者の腕の見せ所でもあります。
本スマートICは、交通運用上の課題、本線や周辺への影響、さらに事業費等も含めあらゆる側面から比較検討を行い、出入口を上下線で別とし本線を横断しない案が採用されました。
下図は計画時における、平面図の案です。
関連業務
- 平成28年度(仮称)筑北スマートインターチェンジ概略設計業務委託
- 平成29年度(仮称)筑北スマートインターチェンジ現地測量業務委託
- 平成29年度(仮称)筑北スマートインターチェンジ詳細検討業務委託
担当技術者
- 管理技術者:寺澤 慶一
- 照査技術者:内川 和幸
- 担当技術者:床尾 亮一
技術者インタビュー
担当技術者でもある、諏訪支店の床尾さんに技術者インタビューをします!
床尾さん、筑北SIC関連業務で印象に残っていることはどんなことですか?
一番は、最初から最後まで自分が担当できたことですね。
最初から最後までというと、具体的にはどのようなことをされたんでしょうか?
業務の流れで解説すると、
1.インターチェンジ設置計画資料作成(通称高速道路連結許可申請):整備効果や利用台数、事業費などの算出
2.上記と並行してインターチェンジの概略設計:費用対効果が最も優れ、利用しやすいIC設置位置の検討及び概略形状を検討
3.測量/予備設計:UAVレーザー測量を行い、警察と協議しながら安全で実現可能なICを検討
4.用地測量と地域住民に対する合意形成:事業に必要な取得用地に関する境界確定や、住民説明会での資料作成及び説明を担当
5.詳細設計及び開発許可申請:道路の詳細設計をしならがら、設置個所が開発を制限する森林地帯だったため許可申請を担当
IC検討に関わる警察との協議や住民説明会も!
ずいぶん色々なことをされたんですね。CADで道路の設計を行うだけではないんですね。
私たち建設コンサルは、現況調査したうえで最善の方法を検討し、それを発注者にご提案することは勿論ですが、法的手続きや、地域住民との合意形成を図るご支援をする事も重要な仕事なんですよ。
また、実際に施工が始まると、設計時には想定できなかったトラブルが発生することも少なくありません。
今回も同様で、その都度設計変更等の対応をしました。
想定外の事態にも柔軟に対応しなければならないということですね。
はい。でも、ゼロから工事中まで担当できたのは、貴重な経験でした。大変でしたが楽しかったですね。
床尾さん、勉強になりました。
他の業務についても、また色々教えてください。